七庭本店は、小さな小さなメーカーです。
イメージとしては、「町のお豆腐屋さん」と考えていただけば、ほぼ間違いないでしょう。
でも、小さく、おこげしか造っていないからこそ、自信があり、一生懸命なのです。
「大きな会社の商品の方が信頼できる」という定説は、幾度もの報道通り、すでに崩壊しています。
なぜ、大きな会社がこのようなことになってしまったのでしょう?
一つには、組織が大きくなりすぎると、所属する人間の意思統一がしにくくなることが挙げられます。
造る人・売る人・経営する人、それぞれの間で意識がズレるのは、当然ではないでしょうか?
そして、造る人でも、規模が大きくなるほど、製品が「食べ物」だということを忘れがちになります。
確かに食品には「化学」という一面もありますし、愛情がなくても美味しい物が造れるのは事実です。
しかし、近年多発している事故の原因「コスト重視・安全軽視」の傾向は、
「食べ物」だということを忘れてしまっている証拠ではないでしょうか?
商品が工業用の鉄板であれば、製造規模が大きい方が良いということも言えるのでしょう。
しかし、食品の場合は明らかに異なる事情があります。
その一つは、「製造規模が大きくなるほど、無駄な工程も増えるケースがある」ということです。
食品は大量生産・機械製造であっても、実に多くの工程を経て造られています。
そして、大量に製造する場合、工程の途中で運搬距離が伸びてしまったり、
工程を中断しなければならないことも多くあります。
具体的に言うと、ある食品が粉に水を混ぜて焼いて、包装する商品だとしましょう。
大まかに分けると、「粉に水を混ぜる」、「焼く」と、「包装する」3工程があります。
この3工程はまったく異なる作業ですし、作業場が別の建物になる場合もあります。
そうしたとき、製造途中の食品は建物の外を通る場合も出てきます。
すると、異物混入や外気温によっては腐敗などの原因にもつながりかねません。
また、3つの各工程で働く人達が、定時で仕事を終えれば、
「粉を混ぜたもの」、「焼いたもの」が次の工程に進まずに翌日に持ち越されることもあります。
すると、異物混入や変質、腐敗の原因につながりかねないのは当然のことです。
もちろん、食品メーカーでは万全を期して輸送や保存を行っているのは当然ですが、
「危険の機会が増える」ことは紛れもない事実です。
そして、原料の入れ間違いや、製造量の誤りなどが発生した場合、
廃棄ロスが大きくなってしまうのも大量生産の泣き所です。
一回の仕込量が膨大なため、コスト管理が厳しい大量生産は、ロスを減らすことを重視します。
社名変更にまで追い込まれた某大手乳業メーカーの事件や、
可愛らしいキャラクターのイメージを破壊してしまった某菓子メーカー。
地方銘菓として全国的知名度を持ち、多くの方に愛されながら消費者を裏切った某和菓子メーカー。
このような事件は、ある程度「大きい会社だからこそ起こった事件」とも考えられます。
七庭本店では、各工程は仕切られてこそいますが、
原料保管庫・製造・乾燥・包装・在庫置場まで、すべての工程が一つ屋根の下にあります。
また、一回に造ることができる量が少ないため、
無駄な時間は使わずに、原料を仕込むと一気に完成までの工程を終えます。
仕込み量が少ないため、例え配合ミスなどが起きても、躊躇なく廃棄することができます。
七庭本店では、お買い上げいただいたお客様が最高の状態で調理して(揚げて)おられるか、
それが心配でたまらず、時々ですが、製造者がお客様のお店を営業時間中にお訪ねし、
「おこげ料理」を注文させていただくこともあります。
ご迷惑かもしれませんが、お店様・飲食される方・そして当店と、三方がより良い状態になるためなのです。
これも、小さなお店だからこそできることだと思います。
弊店では、小さいからこそできる「小回りの利く」仕事をさせていただいています。
そのため、改良点・包装仕様・購買量の加減など、可能な限りのご相談に応じさせていただきます。
きっと、料理人の方々も「他にはないものを」と考えてメニューを造られていると思います。
七庭本店でも、そのご方針に少しでも添えるよう、努力しておりますので、
ご希望やご質問など、どんな細かなことでも結構ですので、ご相談下さい。
お客様のお顔がよく見え、より喜んでいただけるほど、当店もさらに頑張る気力が湧いて参ります。
これが、【仕事】の原点ではないでしょうか。
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